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About

 私が“なんとなく好き”と思うものには、いつも「曲線」がありました。
やわらかなカーブを見ると、なぜか心が落ち着き、穏やかな気持ちになるのです。

 やがて、ウィリアム・モリスやアルフォンス・ミュシャといった、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家たちの作品に出会い、その繊細で有機的な美しさに、ますます強く惹かれていきました。

 幼い頃からものづくりが好きで、両親も手作りの家具や洋服を与えてくれたため、「ハンドメイド」はいつも身近なものでした。とはいえ、美術の道に進んだわけでもなく、仕事にする考えもないまま、人生の大半を過ごしていた中で、偶然この「彫刻キャンドル」に出会ったのです。

その瞬間、強い衝撃を受け、同時に運命のようなものを感じました。
「これを作って生きていきたい」と心から思い、衝動的に情報を集め、見よう見真似で試行錯誤を重ねました。
 

 制作には、中世ヨーロッパの時代から伝わる「ディッピング」と「カービング」という技法を用いています。
溶かした蝋に顔料で色をつけ、何度も層を重ね、温かいうちにナイフやツールで曲げたり、捻じったりしながら形を整えていきます。

この技法に、私の大好きな曲線美を取り入れて、「アール・ヌーヴォーを灯す」というコンセプトを掲げました。


 このキャンドルを目にしていただくと、お客様は、宝石や陶器やドレス、スイーツのようだと、目を輝かせ笑顔をみせてくださいます。
それぞれが心に秘めた、『美しいもの』をこのキャンドルを重ねていただけることが何よりも光栄に思うのです。

決して崇高な『美』を目指しているのではなく、日常に寄り添いながら、時に心を和ませる、そんなキャンドルでありたいと、想いを込めてひとつひとつ製作しています。

 最後に。この作品を世に生み出すことができたのは、何も知らなかった私に技法を教え、今も変わらぬ応援を届けてくださるウクライナの工房の存在があります。
彼らは私にとって無くてはならない大切なパートナーですが、今は困難の中にいます。
お返しするにはまだ小さな力しかありませんが、このキャンドルと共に彼らの活躍を伝え続けることで、少しでも助けとなることを願っています。